数理計画問題は「与えられた制約条件の下でより良い目的を達成するための数理モデル」です. 現実の問題を数理計画問題に定式化し,それを解くアルゴリズ(数値計算手法)までを含めて数理計画法 (Mathematical Programming)と呼びます.数理計画法の適用は経営,工学,理学,医学, 商業,農業,公共政策等の極めて幅広い分野をカバ− しています.規模の大きい 数理計画問題は,問題の数学的構造に基づいた効率の良いアルゴリズムを設計し, 高速な計算機を利用しないと解くことが出来ません.
標準的な数理計画問題は『f(x) を最大にする S の要素 x を求めよ』と表現されます. ここで,f は n-次元空間で定義された実数値関数,S は n-次元空間の部分集合です.f を 目的関数,S を許容領域(実行可能領域)と呼びます.数理計画の代わりに,"最適化 (Optimization)"という用語もよく使われます.数理計画法の研究領域は,許容領域 S や目的関数 f の性質によって,連続最適化(線形計画, 2次計画,凸計画,非線形計画, 半正定値計画等を含む)と 組合せ最適化(離散最適化,整数計画)に大きくわかれます.
小島政和研究室では,理論,高速な数値解法,および,ソフトウエアの開発に重点をおいて 数理計画法およびその関連分野の研究を行って います.
数理計画法に興味のある人は『数理計画法概論 --- 内点法を中心にして --- (27ページ)』(dvi | ps | pdf )を読んでください.
--> 和文解説記事等
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数理計画問題の極めて初等的な例:連続最適化,
組合せ最適化, その関連分野
-->宇野毅明先生の最適化とアルゴリズムに関するホームページ
INFORMS (米国OR・経営科学学会)のホームページには,OR・経営科学は 「informed decision-making のための information technology の応用を扱うprofessional disciplines」 と書かれています(より詳しくはWhat is OR/MS?参照). 数理計画法は主としてOR 分野で発展し,この分野を支える最も基本的で重要な手法です.具体的には,工場での生産計画,LSI の設計,輸送計画,航空機と その乗務員の割り当ておよびスケジュ−リング,ファイナンス, 情報通信ネットワ−クの最適利用計画等で使われています.研究室の多くの活動はこの分野で行われます.
これまでに数学を学び,数学を応用できる分野を模索している学生にとって, 数理計画法はまさに”最適な分野”の1つであるといえます. 数理計画法そのものをすでに学 んでいるか,否かは,そんなに大きな問題でありません. 重要なのは線形代数,解析等の基本的な数学の知識を自在に使いこなせるだけの論理能力です. これらがきちんと身についていれば,修士課程,あるいは,博士課程から数理計画法の研究を 開始しても決して遅くはありません.さらに,より高度な数学を身に付けていればそれに応じた 高度な研究テーマを探すことも可能です.実際,私の研究室で博士の学位を取った学生の約1/4は学部 が数学関連の学科出身で,修士課程あるいは博士課程から数理計画の研究を始めた人たちです.
数学好きの若者の多くはより抽象度の高い数学を目指します.しかしながら, 知って欲しいのは数学と名前が付かない工学あるいは工学に近い分野でも極めて多様な数学が使われていることです. 通常,そのような分野で使われている数学は抽象度は低く,部分部分は(数学者から見ると)やさしい数学ですが, それらを巧妙に組み合わせ,あやつる楽しみがあります.もちろん,数理計画法の研究はそんなに単純ではありません. ”純粋数学に対する能力”とは多少異なった能力が 要求されますが,数学好きの若者を満足させるに足る十分に高度な研究テーマが数多くあります.
数理計画法と計算機科学との密接な関係には2つの局面があります. 1つは数理計画法のなかで使われる道具としての計算機科学です.数理計画法のアルゴリズムの設計, および, 計算機への実装ではデータ構造の知識,プログラミング技術等が要求されまし, 計算効率の理論評価は計算の理論を基礎としています.最近,より大規模でより高度な 問題を解くために広域分散コンピューティング環境下で数理計画法のアルゴリズムを並列 実行する共同研究を計算機科学分野の人達と始めました.もう1つの局面は,計算機科学の 中で使われる最適化手法としての数理計画法です. 情報を効率的に処理し,利用するためには強力な最適化手法が要請されています.
数理計画法の理論とアルゴリズムが中心です.特に普遍的な汎用の数理計画モデルを扱うように心がけています. 私自身は線形計画,非線形計画等の連続最適化モデルを扱っていますが,研究室全体としては外部の研究者の協力を得て離散最適化モデルの研究も行っています.この2種類のモデルに関して基礎理論からソフトウェアの開発までの研究を 幅広く行っています.したがって,数理計画法のほぼ全体をカバーしていると言えます.実際問題への応用に関する 研究も行っていますが,その量はあまり多くありません.その意味では主として最適化の理学的側面を扱っています. 研究の量を"小島政和が書いた論文(大半は共同論文) の量" と"研究室を巣立っていった博士の量"で計測すると, 前者約90本は国内外の数理計画の研究者と比較して遜色ありません.後者約20人は多いといえます. もちろん,量ではなく質が問題ですが,研究の質も極めて高いと自負しています.実際,上述したOR・経営科学,(応用)数学, 計算機科学の各分野でこれまでの研究業績は国際的にも高く評価されています. 詳しくは "主な研究業績" を参照して下さい.また,学位取得者も国内外で活躍しています." 小島政和研究室関係博士論文" には研究室を巣立っていった博士の現在の勤め先,受賞等が記されていますので参照して下さい.

「まず,最初に目標(理想,目的)があって,次にその目標を達成するためよりよい手段をとる」 ことを,常に強く意識していることが大切です.これが”最適化”の本質です.自分の人生設計 においても,普段の生活においても,他人と話すときでも,まず, 目標(目的),すなわち,”何をやりたいのか”から始めましょう. 目標(目的)抜きで,手段を語るのは無意味だとは思いませんか. 特に若い人には,高い理想・目標を持ち,それに向かって努力し,情熱を傾けて欲しいと願っています.
< 研究室の目標 >
(1) 数理計画法(最適化の理論と手法)の分野での研究貢献
(2) 世界をリードする人材・研究者の育成
< 研究室の基本方針 > これらの目標をよりよく達成するために,学生を大人として扱うように心がけています. 特に, 勉強したくない学生の尻をたたいて無理に卒業させるというようなことはしたくないし,
自分の研究室の学生を差別して保護するつもりもありません.学生の指導は,
(a) 自ら進んで積極的に研究すること,
(b) 行動範囲を研究室内に限定せず,外(研究会,他の研究グル−プとの合同ゼミ,国内外の会議等)へどんどん出ていくこと
を基本的方針として います.この2つの方針は,研究の幅を広げ,学生を自立させるために極めて重要であると思っています.また,研究室の境目を非常に緩くしています.実際,学外の学生および研究者が小島政和研究室に出入りすると同時に,研究室の学生が学外の研究者の実質的な指導を受けています.
< 数理計画の研究 > 数理計画法の研究の主たる基本的な道具は数学と計算機科学です. 学生によって数学, 計算機科学,そして,数理計画法に関する知識のバランスはさまざまです. 情報科学科で学んだ学生はこれらをバランスよく拾得していまので,その意味ではこれまで学んできた 知識のすべてを活用して数理計画法の研究を始める準備が出来ています.しかしながら, これらの知識をバランスよく持っていることが,必須ではありません.数理計画法の研究は, 数理計画の理論からソフトウエアの開発まで多種・多様です.(主として)数学を学んで 来た 学生には,数理計画の理論の文献の多くは困難なく読むことが出来るでしょうし, (主として) 計算機科学を学んできた学生にも適した研究テーマが沢山あります.さらに, バックグラウンド の違う人達が集まって共同研究を行うことにより,互いの特徴を活かし ながら,より広い研究 テーマにチャレンジすることが出来ます.
< より詳しくは > 数理計画法に関して,あるいは,小島政和研究室に関してより 詳しく知りたい人,および,大学院(修士課程,または,博士課程)で小島政和研究室を志望を考慮している人は,遠慮なく,小島政和(kojima@is.titech.ac.jp)まで連絡して下さい.(1997年10月,2003年12月改訂 小島政和)
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